東京支社の小林です。

前回、投資において「知識」や「情報」よりも重要なことがあるという話をしました。
人は未知な事柄に出会うと「早く解決したい=安心したい」という強い欲求が本能的に働くそうです。
その際、適切な知識や情報さえあれば正しい判断や選択ができると勘違いしてしまうことがある。
実は私たちが大事なことを決める時は「知識」や「情報」ではなく「知恵」に頼っている部分の方が圧倒的に多い。
それを逆説的に見事に示しているのが自動翻訳です。

以下に示すのはアップルの元社長である故スティーブ・ジョブズ氏の発言です。
The day I was born songs on records, phones were tied down, computers needed rooms and the web was fiction.
Change the world. You can.

私が生まれた曲された日は、レコードにあった、電話が縛られ、コンピューターは部屋が必要なwebはフィクションでした。
世界を変更してください。することができます。
(Google翻訳まま *2018年当時)

いかがでしょうか?誤訳だらけです。
これがGoogleが提供する訳文なのです。
一つ一つの単語の知識は正確です。
そりゃそうです、Googleに「知らない単語」など存在しない。
何でも知っているGoogleが正しい情報を組み合わせた日本語は間違いだらけ。
意味がなんとか通じるとかわかりやすい、わかりにくいという話ではありません。
正確な情報を使っているにもかかわらず結果が「間違っている」というのがポイントです。
では人間の頭(=知恵)を使って訳すとどうなるかやってみましょう。

私が生まれた頃、音楽はレコードで聞くものだった。電話といえば有線だったし、コンピューターは一台で何部屋も要する程の大きさでした。
そして、インターネットなんて夢のような話でした。世界を変えよう。あなたならきっとできる。
(訳:小林)

両者の日本語において、なぜこれほどの差がでるのか。
そこにまさに「知識」と「知恵」の重大な違いが隠れているのです。
一点だけ解説すると、時制が過去形になっているのがポイントです。
筆者は「今は違う」というニュアンスを強く出そうとしています。
過去と現在の生活を対比して、単語の情報や文法の知識を結び付けていくと、その先に明確なメッセージが現れてくる。
こうした複数の情報を知恵を使って正しく結びつける判断は今のところ人間にしかできない技なのです。

我々が信望する「知識」や「情報」は実は頼りなく、あいまいで頼りなさそうに感じられる。
「知恵」こそが我々を真に助けてくれると感じませんか。
次回、知恵を投資にどうやって使うのかという話をして今回の学びや情報に関する三部超大作の締めくくりにします。
息がしやすくなって、生き方も変わります。楽しみにしていてください。